2013年3月4日月曜日

eneloopデザイン変更で失うもの

「エネループ」がデザイン変更 「パナソニック」推しの新デザインに不評

eneloopのデザインが変更になるということで大きな反響を呼んでいるようです。
このデザイン変更は私も勿体ないと思っています。

■デザイン変更で失うもの

eneloopというものは日本で珍しく起こったイノベーションだと思っています。
これをPanasonicという充電式電池に戻してしまうのは誠に勿体ないことだと思います。
ただロゴが変わるだけでここまで反響は呼ぶのは何故なのでしょう?
当時eneloopが出るまでは充電式電池というものは認識はされつつも
あまりそれを購入して利用する人はいなかったように思います。
電池を大量に消費するガジェット好きなどは別として、リモコンなどは
アルカリ電池を100円ショップなどで購入して使用していた人が多かったのではないかと
記憶しています。
そこにeneloopの登場です。
よくわからないけど、eneloopはずっと使えるんでしょ?
というように認識が変わったものだと思います。
そして充電式電池=eneloopという認識も出来上がったと思います。
他社も追随しましたが、eneloopのシェアを逆転できるような状態には
まったくなりませんでした。
そこに対して、自社で競合商品を持つPanasonicがその認識を壊すようなことに
なってしまっているわけです。
eneloopを買っておけばいいんでしょと思っていた人たちは初めて
選択をしなければいけない状態になるのです。
他社製品を見ても、逆転できるような商品がないのに、付け入る隙を自ら作ってしまった。
これで他社製品にシェアを持っていかれるようなことがあれば、この企画をした人は
完全に戦犯でしょう。
このようなブランドを自ら殺してしまう。。。
理解に苦しみます。

■イノベーションを起こした製品たち

せっかくイノベーションという話題になったので、eneloop以外のいままでイノベーションを起こした
商品を私見で挙げていこうと思います。

Macintosh

Appleのパーソナルコンピュータです。
それまでオタクや企業のシステム部が暗い部屋でカタカタやるものであった
コンピュータをパーソナルなスペースに持ち込みました。
結局普及したのはWindows95でしたが、突破口を作ったのはMacintoshでした。
既存製品:汎用機、PC98シリーズ、FM Towns

ザウルス

SHARPの電子手帳です。それまでも電子手帳はありましたが、この電子手帳は現在のタブレットにも匹敵するほど高機能でした。
電卓、時計、スケジュール管理、連絡帳、手書きメモ、英和和英国語辞書、アプリカセットによる拡張、赤外線通信等々。
途中からOSもLinuxベースとなり、ガジェット好きにはたまらない製品でした。
既存製品:Casioの電子手帳、高機能電卓

カメラ付き携帯電話

デジタルカメラを携帯電話に取り込んだものです。
作ったのはどこでしょう。Casioあたりでしょうか。
何かあるとすぐ携帯で写真を撮る日本人は世界から見ても謎だったと思います。
しかし、これがなければもしかしたらiPhoneにはカメラは搭載されていなかった
かも知れません。

VAIO

SONYのWindowsPCです。
家電の中心にPCというコンセプトでした。その流れは現在のMacやPCにも強く影響を与えています。
既存製品:Windows95搭載マシン、Macintosh

iPod

Appleの携帯音楽プレイヤーです。
自分の好きな音楽をすべて持ち運ぶ。PCから簡単に取り込む。そんなことを可能にした製品です。同じような商品はありましたが、そのコンセプトやiTunesの簡単さ、iTunesストアでの購入のしやすさで爆発的な人気となり、携帯音楽プレイヤーでこれ以外を使うのが
恥ずかしいぐらいの時期がありました。
その白いイヤホンコードもまた同じように代名詞となり、白以外はしづらかったのを覚えています。
既存製品:MP3プレイヤー

iPhone

Appleのスマートフォンです。
乗るしかない、このビッグウェーブに。スマートフォンを定義しなおした画期的製品でした。
世界をリードしていた日本の携帯電話を、自らガラケーと呼ばせるような状況にまで
世の中を変えてしまいました。
既存製品:iMode搭載ガラケー、BlackBerry

PlayStationファミリー

SONYのゲーム機です。
仕事で使用する「ワークステーション」に対して遊びは「プレイステーション」という
コンセプトのもと、ただのゲームにとどまらないマルチメディアの広がりを体現しました。
2ではDVDプレイヤーとしても売れに売れて、逆にDVDの普及に貢献しました。
また、ネットワークや携帯ゲーム機PSPとの連携、Torneなど、進化し続けています。
若干コンセプトがVAIOとも被るところがりますが、SONYは横の連携が不得意なので
ユーザーはそのあたりはいつも振り回されますね。
でも偉大な製品であることは間違いないです。
既存製品:スーパーファミコン、ゲームボーイ、高価なDVDプレイヤー

プラズマクラスター

SHARPの空気清浄機およびエアコン類です。
これは純粋な発明を伴っているので、イノベーションとは言い切れない部分もありますが。
幼稚園や保育園、病院などでは標準装備になりつつありますね。
既存製品:空気清浄機、エアコン、加湿器

電子ケトル

電気でお湯を沸かすタイプのケトルです。
最初に作ったのはT-Falですかね。
使うときに使う分だけ沸かすというこコンセプトが受け入れられたように思います。
既存製品:湯沸し器、電子ポット、やかん

Google検索

GoogleのWEB検索サービスです。
「ぐぐる」という言葉が出来てしまったぐらいWEB検索の代名詞になりました。
何が変わったのかはいまだによくわかりません。
他より精度が高かったのは事実ですが。
既存製品:Yahoo!、Goo、Lycos、Infoseek

Facebook

Facebook社のSNSサービスです。
これも何が変わったのかはわかりませんね。
いまだに日本人には実名は向かないと思っています。
既存製品:Myspace、mixi、Gree

まとめ

こうして見るとApple、SONY、SHARPはすごいですね。
そして日本企業意外にがんばってる!
イノベーションは苦手そうに感じていますが、そんなことはないんですね。
ソフトウェアに弱いのは間違いありませんけど。
サンヨーは、Panasonicに吸収される前くらいの時期はイノベーション的な
動きが非常に活発で、見ていて楽しい企業だっただけに残念です。
eneloopを作成したサンヨーのチームに敬意を評しつつ今回のまとめとさせていただきます。






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